2024.10.01
セット打法が存在していた?
このように裏モノ=摘発対象となるのでメーカーとしては短命なのかもしれません。それでも裏モノにこだわり続ける理由とは一体なんでしょうか?
まず一つは一定層のニーズがあるから。当時の機種は現代のそれのように複雑にプログラムできません。情報処理速度も雲泥の差ですからゲーム性を複雑化させて連チャン性能を上げるのは至難の業でした。それでもビガーぐらいの色を付けるぐらいはいくらでもできましたし、何より故意的な連チャン性能がユーザーからしてみれば脳汁ダラダラだったワケです。
実際、4号機中期まで裏モノは現役稼働していて、特に沖スロ(主にパイオニア)では初当たりBIG時に2~9連チャンを抽選する「32GVer.」、29G以内に連チャンする「29GVer.」、REGが状態移行のサインとなる「ダイナマイトVer.」、初当たり後BIGが5G以内に連チャンする「GODVer.」などなど数え上げればキリがないぐらい蔓延していました。特に裏モノを設置しているホールで一番人気があったのが一番最初の「32GVer.」で、その人気がゆえ合法的に再現できないか、と登場したのが5号機の「沖ドキ!」だったりします。それぐらい裏モノの仕様はニーズがあるのです。
そして、こだわり続けるもう一つの理由が「C(シー)ロム」というのもあります。このCというのは、いわゆる「セット打法」というもので、ある特定の手順を踏むと強制的にBIGを引ける、あるいは状態に入れられるという夢のような打法です。セット打法は聞いたことがあるけど、そんなの都市伝説でしょ?なんて思っているそこのアナタ!実際に存在するんです。というより断言します。裏モノには100%…いや120%セット打法が仕込まれています。考えてもみて下さい、機械のプログラムを追加するんですよ?自分たちだけが知る手順を仕込んでおけば誰にも気づかれずに小遣い稼ぎができるじゃないですか。むしろそれをプログラムしない方がどうかしてます。なので私の業界では「Bある所にCあり」というのが常識です。
もちろんセット打法には巧妙な仕掛けがあって、例え手順を知っていたとしても泥棒を防ぐために「ロックと解除手順」が存在しているので、情報がどこかから漏れたとしても解除手順を踏んでいなければセット打法は使えません。とまあこれ以上深堀してもマニアックな域に達してしまうので、セット打法の話題はここまで。いずれにせよ現代では考えられないようなアンダーグラウンドの業界が確かにあったのです。
今のパチンコ業界は昔に比べると驚くほどクリーンになりました。だけど私ぐらいの世代なら、ちょっとぐらい香ばしい匂いを漂わせても良いんじゃないかな?だってパチンコ業界なんだもん…と思っている方も少なからずともいるハズです。そんな世代には今のスマスロは刺さらないのも道理なんですよね。
【profile】
Z(ゼット)
某攻略誌の元ライター。
4号機時代からスロプロとして活躍する一方、その経験を活かしてライターも兼業する。
解析情報をもとに高設定を見抜く能力に長けている。また、裏モノにも精通しているスペシャリスト。