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2024.09.28

裏モノはメーカーが関与!?

前回のミラクルジャグラー(ビガーVer.)の情報はお役に立てたでしょうか?
本文の中で触れたとおり、今回は裏モノ全般についてのこぼれ話を書いてみます。

実は私、攻略誌でライターをやっていたのも裏業界に精通しているから、っていうのが大きかったんです。当時から雑誌系ライターは多く存在していたものの、そのほとんどが出版社の社員で、私みたいにフリーで活動しているライターはほんの一握りでした。とある雑誌にスカウトされコラムを書き始めたその当時の内容も裏業界にまつわる話で、一般人では知り得ない情報が雑誌的には良かったんでしょうね。おかげさまで、こんな理系でも語彙力だけは身に付きました。

少し話がそれてしまいましたが、裏業界に精通しているということは、周りには悪いことばかりしている人たちが沢山。ゴト師やカバン屋なんて知り合いどころか身内みたいなもんです。このカバン屋というのが俗に言う裏モノを取り扱っている業者で、各ホールに裏モノを販売しているかたわら、大本となる裏基盤をホールの要望に合わせて細かくカスタマイズ(ハウスモノ)するのもこのカバン屋の仕事です。

実は裏モノ販売には大きく分けて2種類あります。一つは先述のようなカバン屋絡み。もう一つはメーカー絡み。「あれ?メーカーは関与していないのでは?」と思われた方も多いと思いますが、そんなことはありません。ガッツリ関与しています。…と言うと語弊があるのかもしれませんね。厳密にはメーカーの「一次販社・二次販社」が裏モノを仕込んで出荷しているんです。

みなさんもご存じの通り、今も昔もパチンコ・パチスロは保通協を通過しなければ世に出せません。当時のパチスロなんて液晶なんてものは存在せず、違いと言えば図柄とリール制御と音楽程度です。しかも保通協を安全にクリアできるスペックで通すもんですから、クソつまらない機種なのは言わずもがな。そこで考えたのが販社で裏モノを仕込み、もし摘発されそうになったら「ウチじゃなくて販社が勝手にやったこと」で逃れよう作戦です。つまりはトカゲの尻尾切り。この作成が功を奏したのか、世に裏モノが蔓延したんです。今じゃ考えられないですけどね。

今回のビガーは老舗メーカー「パル工業」の代表的な機種で、パルと言えば1.5号機の「ニューペガサス」で有名な会社です。その後もトカゲの尻尾切り戦法で裏モノを世に送り出していたのですが、案の定、後々に摘発されることに…。パル工業が倒産に追い込まれ、開発陣は「マツヤ商会」というメーカーに流れていきました。マツヤ商会もパッキパキの裏モノだらけでしたが、経営不振で民事再生法を申請。またしても開発陣は「エマ」というメーカーに流れていきました。一部、噂では自分たちで「マックスアライド」というメーカーを起ち上げたとも聞いています。ちなみに、このマックスアライドも販社仕込みで、最終的には摘発されています。

後編2へ続く


【profile】
Z(ゼット)
某攻略誌の元ライター。
4号機時代からスロプロとして活躍する一方、その経験を活かしてライターも兼業する。
解析情報をもとに高設定を見抜く能力に長けている。また、裏モノにも精通しているスペシャリスト。